夏場に注意が必要な感染症について

腸管出血性大腸菌感染症

この感染症は、ベロ毒素を産生する大腸菌が原因となり、原因となる大腸菌にはO157、O26、O111などが知られています。この大腸菌に汚染された食品、食器、手指等を介して口から感染します。
年間を通して発生しますが、特に夏場に多く発生しています。感染力が強いため、保育所等集団の場で感染が広がるおそれがあります。

(症状)

  • 3~5日間の潜伏期を経て、下痢、腹痛、血便、発熱など。
  • まれに、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症といった重症な合併症を起こすことがある。

(予防策)

  • 菌に汚染された食品からの感染を防ぐために、食品を十分に加熱しましょう。(中心温度が75℃で1分以上)
  • 調理や食事の前、用便後には、必ず手を洗いましょう。
  • 加熱前の食品に使用した調理器具と加熱後の食品に使用する調理器具は共用しないようにしましょう。
  • 井戸水などはできるだけ生水では飲まないようにしましょう。

デング熱、ジカウイルス感染症

原因となるウイルスは、デング熱やジカウイルス感染症に感染した人の血を吸った蚊(日本ではヒトスジシマ蚊)の体内で増え、その蚊がまた他の人の血を吸うことで感染を広げていきます。

(症状)

  • デング熱は2~15日の潜伏期間を経て、発熱や関節の痛み、発疹などの症状が1週間ほど続く。出血を伴うデング出血熱となり、重症化する可能性がある。
  • ジカウイルス感染症は2~12日の潜伏期間を経て、発熱や関節の痛み、発疹などの症状が1週間ほど続く。妊婦が感染すると胎児に小頭症等の先天性障害を来たすことがある。

(共通予防)

  • 蚊に刺されないように注意することが大切です。具体的には、長袖、長ズボンを着用し肌の露出を避ける、また忌避剤(虫除けスプレー等)の使用があります。
  • 蚊は小さな水たまりを好んで卵を産み付けます。住まいの周囲の水たまりを無くすことで、蚊の数を減らすことができます。

(ジカウイルス感染症予防)

  • 妊婦及び妊娠の可能性がある方は、可能な限り流行地域への渡航を控えてください。流行地域は中南米、アフリカ(カーボベルテ)、アジア(タイ・ベトナム・フィリピン)、オセアニア太平洋地域です。
  • 流行地域に滞在中及び流行地域からの帰国後最低8週間は症状の有無に関わらず性行為の際にコンドームを使用するか性行為を控えることを推奨します。

手足口病

手足口病は2歳以下の乳幼児を中心に流行する急性ウイルス性感染症です。年間を通じて、感染する可能性がありますが、夏(7月~8月)が流行のピークとなることが多いです。

(症状)

  • 手のひら、足のうら、口の中などに小さな水疱のような発疹ができるのが特徴。
  • 大部分は発疹と軽度の発熱など軽い症状で経過するが、まれに髄膜炎など重症化する場合がある。

(予防策)

手足口病は、患者のくしゃみなどからのしぶき、水疱の中身、患者の便にウイルスが存在し回復しても数週間は便中にウイルスが排泄されます。

  • 手洗いを流水とせっけんで十分に行い、タオルの共用はしないようにしましょう。
  • 排泄物は適切に処理を行いましょう。
  • 高熱を伴う発熱が2日以上続くなどの場合は早めに医療機関を受診してください。

ヘルパンギーナ

夏期に流行する小児の急性ウイルス感染症であり、いわゆる夏かぜの代表的な疾患です。患者は4歳以下の小児が大部分で、1歳がもっとも多い年齢です。

(症状)

  • 急な発熱とのどにあらわれる水疱性発疹が特徴。
  • 強いのどの痛みやのどの奥に水疱や浅い潰瘍ができ、この水疱がつぶれたり、また潰瘍ができるとのどがしみて唾液を飲み込むのもつらくなる。

(予防策)

  • 咽頭や鼻水、唾液中にもウイルスがみられるので、外出後、食事の前やトイレの後の手指の消毒を励行することが大切です。

咽頭結膜熱

アデノウイルスを原因として、夏場に流行する病気です。通常は、患者からの飛沫感染(唾液のしぶき等を介しての感染)で感染拡大しますがプールの脱衣所やタオルの共用等によって流行することがあるため、プール熱とも呼ばれています。

(症状)

  • 5~7日の潜伏期を経て、発熱、咽頭炎、結膜炎の症状などが3~5日間継続する。
  • 7型とよばれるウイルスの感染では時に重症化することがある。

(予防策)

  • 感染者との濃密な接触は可能な限り避けましょう。
  • 流行時には手洗いをすることが大切です。
  • プールの利用に際しては、水泳前後にはシャワーを浴び、タオルの共用を避ける等の注意が必要です。

球磨村役場 健康衛生課 ℡ 0966-32-1139


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球磨村役場 保健福祉課 健康推進係

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